温暖な気候と豊かな土壌に恵まれたオーストラリアに
美味しいワインがないはずがない!

そう、その通り! 日本での知名度はいまいちだが、じつはここオーストラリアのワインはフランスやイタリアワインにひけを取らないグレードで世界のワイン通をうならせている。

パースの東、約40キロに位置するワインバレーは西オーストラリアが誇る最大級のワインの産地。なだらかな起伏の続く丘陵地帯には延々とブドウ畑が続き、のどかな風景の中に大小約30のワイナリーが点在している。南のマーガレットリバーと並び、高品質のワインを産出することで知られており、その品質は頑固なヨーロッパのワイン通をうならせるに十分な品質でありながら、値段はリーズナブル。ワインファンならずとも一度は訪れてみたい場所の一つだ。

170年の歴史を誇る
W.A最大のワイン酒造地

「巨大な羽根を持ったヘビともワニともつかない姿をした怪物『Waugul』が、丘から降りて、海に向かった時にできた」とアボリジニの伝説によって伝えられるスワンリバー。そのスワンリバーに沿って広がるスワンバレーは、ミッドランド(Midland)、ギルフォード(Guildford)、ハーンヒル(Herne Hill)などの地域からなる西オーストラリア最大のワイン酒造地域。
その歴史は古く、今から172年前の1827年、イギリス人のキャプテン・スターリング氏がギルフォードに入植したことに始まる。スワンリバーとヘレナリバーの交差点であるこの街は、交易の街として栄え、やがて鉄道が引かれると、物資や人々の往来がますます盛んになった。そして 、温暖な気候と肥沃な大地に目を付けたデビット・タンデム氏が、スワンリバーのほとりに現在も広大な敷地を持つオリーブファームワイナリー(Olive Farm)を始めたのが1829年。そして1840年、WAで最初の土地鑑定官John Steptimus Roe氏は、肥沃なスワンバレーの河口にサンダルフォード・ワインズ(Sandalford Wines)を設立した。現在はPrendiville一家の所有となっており、WA最古でかつ最大規模の私有ワイナリーの1つとなっている。
続いて1862年、西オーストラリアを代表するワイナリーの一つ、ホートンワインズ(Houghton Wines)が創業。商業ワインとして、その成功に端を発しその後南ヨーロッパ人を中心に多くの移民がワイン農家を始めることとなったのだ。彼らは伝統的な製法を守りながら、その一方で次々に近代的な機械と技術を導入し、スワンバレーワインの特徴であるフルーティーな香りを持ったワインの品質を向上させていった。

お気に入りのワイナリーで
自分だけの1本を見つけよう

ワイナリーのほとんどがワインのテイスティング、直接販売を行っており、工場や家屋の見学もできる。歴史を感じさせる木の樽と近代的な整備が混在する工場を歩きながら、ぶどうの圧搾、発酵、貯蔵時の温度管理などワインの製造工程をこと細かく聞くうちに、単なるワイン製造の知識だけでなく、彼らがどれほどの情熱を傾け、ワイン作りに取り組んでいるかに気付かされるだろう。さらに、ほとんどのワイナリーにはレストランが併設されており、$20前後で本格的なコース料理が楽しめる。
また、このエリアには開拓時代に建てられた歴史的な建物やアートギャラリー、歴史博物館も多く、ワイナリーへのドライブの途中に立ち寄ることをお勧めする。特に、19世紀に開拓者のための住居として建てられたビクトリア朝風の建物ウッドブリッジ・ハウス(Woodbrige House)やオーストラリアのアーティスト達の作品を収蔵するゴンボックギャラリー(Gomboc Gallery)、そして、26平方キロの広大な敷地を持つホワイトマン・パークはおさえておきたい。
ランチボックスを持ってピクニック気分で友達と出かけるもよし。名産のワインと美味しい料理が、リーズナブルな価格で楽しめる気の利いたレストランへカップルで出かけるもよし。いろんな楽しみ方が楽しめる、この夏一番のおすすめスポットだ。

スワンバレーマップとワイナリー紹介

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